第一聴聞
はい、行ってきました。ホルボーンにある高等裁判所。結構役に立つのは、前にも言った事があるけど、こっちに20年もいるシングルマザーの弁護士の知り合い。この人が色々と前もって教えてくれるんですっごく助かる。だってさあ、普通の人は離婚って初めての経験じゃない。だから何も分かんない訳じゃん。裁判所がどうなってるとか一体どういう経緯を辿るのかとか。それを知れるだけでもすごい安心。
11時からの聴聞で、ヤツはわざわざ前日に私に10時には裁判所にいるとテキストしてきた。どうでもいいけど、すっごくテキスト送ってくるヤツなわけよ。女子高生じゃああるまいし、そんなにテキストしてくんなよ、うざったいなあ、って感じ。ま、ともかく、待ち合わせ部屋で顔を会わせていたくなかったので私の弁護士と一緒に行く手はずにした。
高等裁判所。これがただのフツーの建物。期待はずれ。公判所が何部屋にも分かれてて、でその番号によって2階とか3階とかにエレベーターで行く訳よ。普通の会社に行くみたいにさ。でもその建物に入る時に空港でのチェックみたいなのをされる。ま、それはそうだよね。
「今回はまだ裁判官が決まって無いんだよ。」とエレベーターの中で弁護士。え?「だからもしかしたら少し待つようかもね。」えー、子供の迎えがあるんだけどなあ。でも、面白いよねえ。2ヶ月も前に日程を入れていたのに、裁判官は振り当てられていなかったってのも。エレベーターが開いて、げげっ!いきなりヤツが目の前に!「公判所は5階だって言ってます。」とぬけぬけと私の弁護士に。もうこっちは目も会わせたくないから思いっきり無視。たかだか2階上に行くだけのエレベーターの中で、なんとも重苦しい空気が....。こんな事を私の弁護士は毎日のようにやってんだよお、ストレスたまると思わない?
とにかく、弁護士は手慣れたもの。ヤツを一つの待合室に入れ、私たちは別の部屋に。で、ヤツから銀行口座の過去1年間の詳細をもらって来た。聴聞10分前。「これささーっと見て、何か質問に足したい事があったら言って。」
一般的にはこの第一聴聞で、お互いの財産開示を行う。宣誓した書類となるので隠蔽行為は厳しく罰せられる。その開示には過去1年間の金の出し入れ全てを記載したものを添付する事になっている。それをお互いに交換し、それについての質問を考えそれをまた裁判所に提出する。これに何日かかるのかは知らないけど。で、その質問書を今度は裁判官が目を通し、この質問は省けとかこれは質問しても良いとかチェックを入れてお互いに渡される。そしたらその質問の答えを1ヶ月以内に裁判所に届けなければいけない。ーーーで、こんな事をやっていると通常は次の聴聞までにまるまる6ヶ月とかかかってしまう。私の弁護士はそれをなるべく短縮したかったんだろう、1週間前に財産開示の交換をし、それについての質問をもうプリントして持って来ていた。でもね、勿論ヤツは金の出し入れの詳細は交換してなかったわけよ。で、この聴聞10分前にそれを出して来たってわけ。それも全部ではなくて。出して来たのはイギリスに持っている口座の詳細。出してないのは中東に持っている口座の詳細。出してないってことはそれでもう十分、何かを隠してます、って言ってるようなもんじゃないねえ。ばっかだよねーこういうところが。
ま、とにかく、ぱらぱらとめくって見てみた。そしたらさー、頭に来る事に、毎月結構な額が口座に振り込まれてる訳よ。なんだっけ、私に言ったのは?自分の使える金は600ポンドしかない、だっけ?ふざけてるよねー。ささって計算しただけだってその10倍以上だよ、経費差し引いて自分のポケットに入るのは。でもこれはイギリスの口座だけに限った話。中東の口座には多分もっと入っているね。だから弁護士と相談して質問の所に、クレジットカードの過去1年間の詳細、今現在住んでいるアパートの契約(売買か賃貸か含めて。なんてったって毎月3500ポンドの所に1人で住んでいるとか書いてきた。3500だあ?で、子供達の生活費はたった1500だからね、まったくなんて子供思いの父親だよ。うんざりしちゃう)中東の口座の詳細等も入れてやった。
やっと裁判官が決まって公判所に。「あ〜、この裁判官は難しい事で有名なんだよなあ。もしかしたら質問いくつかはねられるかもしれないなあ。」独り言のようにつぶやく私の弁護士。うっ...、まあ仕方ないか。
前の列にはヤツと私の弁護士、後ろの列には私が座った。弁護士と裁判官の短いやりとり。それを聞いていても、この裁判官、難しいのが見てとれる。ところが。
裁判官「この質問書を弁護士側から提出してきたが、これに対して全て答えられるか?」
ヤツ「答えられます。」
裁判官「じゃあ今日から28日以内に答えを裁判所に提出する事。次回の聴聞は5月13日とする。」
終わり。ものの20分。
もう一度待合室に戻って。弁護士が、「ラッキーだったなあ、多分今日は予定が押してたんだろう、いつもはもっと気難しいのだよ、あの裁判官。」
ああ、本当にこのまま運が私についていてくれればいいけれどねえ。まあ、ちらっと見ただけでも結構財産開示書と口座の詳細が違ってたりしてたから、突けば結構ボロが出るかも、次回の聴聞で。バカだよねー、宣誓して出す証書に嘘書くなんてさ。これで自分は負けです、って言ってるようなもんだよ。
今度の聴聞には法廷弁護人を立てるよう。今度は女性を見つけよう。やっぱりナンダカンダ言って離婚問題は女性の方が親身になってくれるような気がする。今の弁護士もきちんと仕事はするけれど、でもやっぱり男性だからさ、バランスの取れたようなーーだからお互い妥協しなくちゃいけないようなーー離婚調停に持ってきたがる。それだとやっぱり私に不利なんだよねえ。
ま、ともかく、これで第一段階は終わり。
今日はワインでも開けるか。
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